家族の社会保険料を支払って、節税する!

所得控除を増やす
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社会保険料控除とは

 社会保険料控除とは、その名のとおり、社会保険料を支払った場合に所得控除を受けられるという制度です。

社会保険料控除の対象となる社会保険料

 社会保険料控除の対象となる社会保険料として、主なものは以下のようなものです。

  1. 健康保険料
  2. 国民健康保険料
  3. 後期高齢者医療保険料
  4. 介護保険料
  5. 雇用保険料
  6. 国民年金保険料
  7. 厚生年金保険料

 このうち、サラリーマンの場合は、給料から、健康保険料、介護保険料(40歳~64歳)、雇用保険料、厚生年金保険料が差し引かれていることと思います。

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家族の社会保険料もOK?

 給料から差し引かれている社会保険料は、当然社会保険料控除の対象となるとして、他に対象となるものはないでしょうか?

 所得税法第74条には、以下のように規定されています。

居住者が、各年において、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族の負担すべき社会保険料を支払つた場合又は給与から控除される場合
(所法74抜粋)

 すなわち、自分の分だけでなく、生計を一とする配偶者その他の親族の分を支払った場合もOKということです。

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具体的にはどういったものがあてはまるか?

 それでは、具体的にはどのようなものが対象になるでしょうか?

配偶者が負担すべきもの

 通常、配偶者は社会保険の扶養に入れる場合は、健康保険料も国民年金保険料も負担がないということになります。

 また、配偶者が自身の勤務先の社会保険に加入する場合は、配偶者の給料から社会保険料が差し引かれていることと思います。

 それでは、ちょうどその間の人はどうなるでしょうか?

 扶養にも入れず、自身の勤務先の社会保険にも入れない、その場合は、配偶者自身が国民健康保険と国民年金に入るということになります。

 その場合、配偶者が負担すべきそれらの保険料を負担することで、社会保険料控除の対象とすることができます。

 なお、国民健康保険料は、世帯主が納付義務者となりますので、厳密には配偶者が負担すべきものでなく、本来的に本人が負担すべきものとなります。(本人が世帯主の場合)

 その他、配偶者の年齢によっては、後期高齢者医療保険料や介護保険料もその対象となる場合があります。

子が負担すべきもの

 子も配偶者とおおむね同じですが、子に関しては健康保険の扶養に入ったとしても、国民年金の扶養にはなれず、保険料の負担がなくなることはありません。(国民年金第3号被保険者は配偶者のみ)

 ですので、子が20歳以上の学生やフリーターなどの場合、よくあるパターンだと思います。

 なお、学生の場合は、学生納付特例制度が設けられているので、そちらを使うこともあろうかと思います。

親が負担すべきもの

 親も、配偶者や子とおおむね同じ(国民年金の扶養はない)ですが、特に考えられるのは、後期高齢者医療保険料と介護保険料、そして国民健康保険料でしょう。

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別居でもOK?

 これらの親族と別居している場合はどうでしょう?

 「生計を一にする」とありますが、同居は求められていないので、生計を一にしていれば別居でもOKと言うことです。

 「生計を一にする」について、詳しくは、こちらをご覧ください。

注意点

 再度、所得税法第74条の一部を見てみます。

居住者が、各年において、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族の負担すべき社会保険料を支払つた場合又は給与から控除される場合
(所法74抜粋)

 今度は、「支払つた場合又は給与から控除される場合」という部分に注目です。

 ここにあるように、現実に支払っていないと対象にはなりません。

 すなわち、配偶者や子、または親などが支払っていたり、それらの人の給与など(年金も含む)から控除されていたりしたらダメだということです。

 ですので、家族の口座から口座振替で支払ったり、年金などから控除されるのではなく、所得控除を受けようとする人の口座から口座振替で支払うか、現金で支払うようにすることが必要です。

 支払方法の変更についての詳細は、国民年金については管轄の年金事務所へ、国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療保険についてはお住まいの市町村へお尋ねください。

まとめ

  1. 社会保険料控除は、本人分だけでなく生計一の親族分も対象にできる
  2. ただし、控除を受けようとする人が、実際に支払っている必要がある

 

文書作成日時点での法令に基づく内容です。
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