雑所得

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雑所得

雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得及び一時所得のいずれにも該当しない所得をいう。(所法35①)

 このように、他の9種類の所得に該当しないものは、雑所得とされます。

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雑所得の金額

雑所得の金額は、次の各号に掲げる金額の合計額とする。
一 その年中の公的年金等の収入金額から公的年金等控除額を控除した残額
二 その年中の雑所得(公的年金等に係るものを除く。)に係る総収入金額から必要経費を控除した金額
(所法35②)

 雑所得とは、前述のとおり、他の所得に該当しない所得であるため、様々なものが含まれます。

 その中で、大きく2つに分けて、「公的年金等」と「その他」に区分されます。

 そして、それぞれの区分の中で金額を計算し、それらの合計金額が、雑所得の金額とされます。それぞれの区分における雑所得の金額の計算方法は、以下のとおりです。

  1. 公的年金等…収入金額-公的年金等控除額
  2. その他…総収入金額-必要経費
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公的年金等

公的年金等とは

前項に規定する公的年金等とは、次に掲げる年金をいう。
一 第三十一条第一号及び第二号(退職手当等とみなす一時金)に規定する法律の規定に基づく年金その他同条第一号及び第二号に規定する制度に基づく年金(これに類する給付を含む。第三号において同じ。)で政令で定めるもの
二 恩給(一時恩給を除く。)及び過去の勤務に基づき使用者であつた者から支給される年金
三 確定給付企業年金法の規定に基づいて支給を受ける年金(第三十一条第三号に規定する規約に基づいて拠出された掛金のうちにその年金が支給される同法第二十五条第一項(加入者)に規定する加入者(同項に規定する加入者であつた者を含む。)の負担した金額がある場合には、その年金の額からその負担した金額のうちその年金の額に対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額を控除した金額に相当する部分に限る。)その他これに類する年金として政令で定めるもの
(所法35③)

 第1号を簡単にまとめると、「国民年金法、厚生年金保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法、及び独立行政法人農業者年金基金法の規定に基づく年金」ということになり、一般的にイメージする公的年金ということになろうかと思います。具体的には、国民年金(老齢基礎年金)、厚生年金、共済年金などということになります。

 第2号のうち、恩給は相当昔の制度であるため、現在受給している方はほとんどいないようです。(総務省HP)なお、後述しますが、遺族恩給は非課税となります。

 また、「過去の勤務に基づき使用者であつた者から支給される年金」は、主に大企業が独自の制度で支給している年金です。

 第3号の具体例は、確定給付企業年金、確定拠出年金、小規模企業共済、特定退職金共済、中小企業退職金共済などの制度に基づく年金ということになります。

公的年金等控除額

その年の12月31日現在の年齢が65歳未満の場合

第二項に規定する公的年金等控除額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額とする。
一 その年中の公的年金等の収入金額がないものとして計算した場合における第二条第一項第三十号(定義)に規定する合計所得金額(次号及び第三号において「公的年金等に係る雑所得以外の合計所得金額」という。)が千万円以下である場合 次に掲げる金額の合計額(当該合計額が六十万円に満たない場合には、六十万円)
イ 四十万円
ロ その年中の公的年金等の収入金額から五十万円を控除した残額の次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額
(1) 当該残額が三百六十万円以下である場合 当該残額の百分の二十五に相当する金額
(2) 当該残額が三百六十万円を超え七百二十万円以下である場合 九十万円と当該残額から三百六十万円を控除した金額の百分の十五に相当する金額との合計額
(3) 当該残額が七百二十万円を超え九百五十万円以下である場合 百四十四万円と当該残額から七百二十万円を控除した金額の百分の五に相当する金額との合計額
(4) 当該残額が九百五十万円を超える場合 百五十五万五千円
二 その年中の公的年金等に係る雑所得以外の合計所得金額が千万円を超え二千万円以下である場合 次に掲げる金額の合計額(当該合計額が五十万円に満たない場合には、五十万円)
イ 三十万円
ロ 前号ロに掲げる金額
三 その年中の公的年金等に係る雑所得以外の合計所得金額が二千万円を超える場合 次に掲げる金額の合計額(当該合計額が四十万円に満たない場合には、四十万円)
イ 二十万円
ロ 第一号ロに掲げる金額
(所法35④)

 令和2年分より、基礎控除の改正に伴い公的年金等控除額が10万円小さくなったとともに、公的年金等以外の合計所得金額の大小により、3つの区分に分けられることになりました。上の文章を表にまとめると以下のようになります。(計算しやすいように、数式は変形しています。)

公的年金等の収入金額公的年金等控除額
公的年金等以外の合計所得金額
1,000万円以下1,000万円超
2,000万円以下
2,000万円超
130万円以下60万円50万円40万円
130万円超
410万円以下
収入金額×25%+27.5万円収入金額×25%+17.5万円収入金額×25%+7.5万円
410万円超
770万円以下
収入金額×15%+68.5万円収入金額×15%+58.5万円収入金額×15%+48.5万円
770万円超
1,000万円以下
収入金額×5%+145.5万円収入金額×5%+135.5万円収入金額×5%+125.5万円
1,000万円超195.5万円185.5万円175.5万円

その年の12月31日現在の年齢が65歳以上の場合

年齢が六十五歳以上である個人が、平成十七年以後の各年において、その年中の所得税法第三十五条第三項に規定する公的年金等(以下この項及び次項において「公的年金等」という。)の収入金額がある場合における当該公的年金等に係る同条第四項(同法第百六十五条第一項において適用する場合を含む。)の規定の適用については、同法第三十五条第四項第一号中「六十万円に」とあるのは「百十万円に」と、「六十万円)」とあるのは「百十万円)」と、同項第二号中「五十万円」とあるのは「百万円」と、同項第三号中「四十万円」とあるのは「九十万円」とする。(措法41の15の3①)

 65歳以上の方は、公的年金等控除額の最低額が、65歳未満の方より50万円増額され、以下の表のようになります。

公的年金等の収入金額公的年金等控除額
公的年金等以外の合計所得金額
1,000万円以下1,000万円超
2,000万円以下
2,000万円超
330万円以下110万円100万円90万円
330万円超
410万円以下
収入金額×25%+27.5万円収入金額×25%+17.5万円収入金額×25%+7.5万円
410万円超
770万円以下
収入金額×15%+68.5万円収入金額×15%+58.5万円収入金額×15%+48.5万円
770万円超
1,000万円以下
収入金額×5%+145.5万円収入金額×5%+135.5万円収入金額×5%+125.5万円
1,000万円超195.5万円185.5万円175.5万円

非課税となる年金

恩給、年金その他これらに準ずる給付で次に掲げるもの
イ 恩給法(大正十二年法律第四十八号)に規定する増加恩給(これに併給される普通恩給を含む。)及び傷病賜金その他公務上又は業務上の事由による負傷又は疾病に基因して受けるこれらに準ずる給付で政令で定めるもの
ロ 遺族の受ける恩給及び年金(死亡した者の勤務に基づいて支給されるものに限る。)
ハ 条例の規定により地方公共団体が精神又は身体に障害のある者に関して実施する共済制度で政令で定めるものに基づいて受ける給付
(所法9③)

 主なものとしては、いわゆる遺族年金や障害年金が非課税となる年金です。その他、過去の制度の名残りである、増加恩給や遺族恩給なども非課税となりますが、受給している人数は年々減っていき、最終的にはなくなるものと思われます。

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その他の雑所得

 雑所得は前述のとおり、他の所得に該当しないものですので、様々な種類のものが存在します。

 主なものは、以下のとおりです。(参考:所基通35-1、35-2)

  1. 生命保険契約等に基づく年金(個人年金など)
  2. 事業的規模にいたらない業務による所得(いわゆる副業など)
    1. 動産の貸付けによる所得
    2. 原稿、さし絵、作曲、レコードの吹き込み若しくはデザインの報酬、放送謝金、著作権の使用料又は講演料等に係る所得

 働き方改革による、副業容認の流れが出来つつあるため、雇用契約によらない(=給与所得でない)働き方も増えてくることと思います。その際、多くは雑所得に該当するのではないでしょうか。

 事業所得と雑所得の区分については、別途記載予定です。

 

文書作成日時点での法令に基づく内容です。
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