非課税所得とは
所得税は、原則として個人の全ての所得に課されることになっているが、政策上の観点その他の理由により、特定の所得は非課税とされています。
これらは、所得税法、租税特別措置法のほか、その他の法律に規定されています。
その理由別に、主なものを見ていこうと思います。
障害者等の税負担の軽減のためのもの
- 障害者等の少額預金の利子所得等(所法10、措法3の4)(いわゆる、マル優のこと)
- 障害者等の少額公債の利子(措法4)
貯蓄奨励政策に基づくもの
- 勤労者財産形成住宅貯蓄の利子所得等(措法4の2)
- 勤労者財産形成年金貯蓄の利子所得等(措法4の3)
財形貯蓄のうち、財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄は、その利子が非課税となります(限度額あり)が、一般財形貯蓄は、通常の預貯金と同様に課税されます。
給与所得者に対する実費弁償的性格によるもの
- 給与所得者の出張旅費、転勤旅費(所法9①四)
- 給与所得者の通勤手当(所法9①五)
- 給与所得者が受ける職務の性質上欠くことのできないもの(所法9①六)
当たり前のように思っている出張旅費、転勤旅費および通勤手当ですが、非課税所得として規定されているので、それらには所得税がかからないということになっています。
社会政策上の配慮によるもの
- 遺族年金など(所法9①三)
- 生活用動産の譲渡による所得(所法9①九)
- 学資に充てるため給付される金品(所法9①十五)
- 心身に加えられた損害又は突発的な事故により資産に加えられた損害に基因して取得する保険金及び損害賠償金(所法9①十七)
- 非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得(措法9の8)(いわゆるNISA口座内の配当)
- 非課税口座内の少額上場株式等に係る譲渡所得等(措法37の14)(いわゆるNISA口座内の譲渡)
- 雇用保険、健康保険等の保険給付等(雇用保険法12、健康保険法62、等)
公益的な目的によるもの
- 文化功労者年金、ノーベル賞として交付される金品等(所法9①十三)
- オリンピック競技大会での成績優秀者に交付される金品等(所法9①十四)
二重課税を防止するためのもの
- 相続、遺贈又は個人からの贈与により取得するもの(所法9①十六)
その他
- 宝くじの当選金(当せん金付証票法13)
- スポーツ振興投票券(toto)の払戻金(スポーツ振興投票の実施等に関する法律16)
競馬、競艇、競輪などの払戻金は、非課税ではないので注意が必要です。
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