給与所得

所得
この記事は約4分で読めます。
スポンサーリンク

給与所得

給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与(以下この条において「給与等」という。)に係る所得をいう。(所法28①)

 また、国税庁ウェブページには、以下のように記載されています。

役員や使用人に支給する手当は、原則として給与所得となります。具体的には、残業手当や休日出勤手当、職務手当等のほか、地域手当、家族(扶養)手当、住宅手当なども給与所得となります。
(引用)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2508.htm

 すなわち、雇用契約に基づき、労働の対価として支給を受ける報酬は、名目にかかわらず給与所得に該当します。(法人の役員の場合は、委任契約に基づく報酬)

 ただし、以下の手当は例外的に非課税とされています。

非課税とされる手当の例

  1. 通勤手当のうち、一定金額以下のもの(所法9⑤)
  2. 転勤や出張などのための旅費のうち、通常必要と認められるもの(所法9④)
  3. 宿直や日直の手当のうち、一定金額以下のもの(所基通28-1)

(引用)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2508.htm

スポンサーリンク

給与所得の金額

給与所得の金額は、その年中の給与等の収入金額から給与所得控除額を控除した残額とする。(所法28②)

 給与所得の計算には、原則として必要経費のようなものはありませんが、その代わりに給与所得控除(サラリーマンのみなし経費のようなもの)があり、給与等の収入金額から給与所得控除額を控除した残額が給与所得の金額とされます。

給与所得控除額

前項に規定する給与所得控除額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額とする。
一 前項に規定する収入金額が百八十万円以下である場合 当該収入金額の百分の四十に相当する金額から十万円を控除した残額(当該残額が五十五万円に満たない場合には、五十五万円)
二 前項に規定する収入金額が百八十万円を超え三百六十万円以下である場合 六十二万円と当該収入金額から百八十万円を控除した金額の百分の三十に相当する金額との合計額
三 前項に規定する収入金額が三百六十万円を超え六百六十万円以下である場合 百十六万円と当該収入金額から三百六十万円を控除した金額の百分の二十に相当する金額との合計額
四 前項に規定する収入金額が六百六十万円を超え八百五十万円以下である場合 百七十六万円と当該収入金額から六百六十万円を控除した金額の百分の十に相当する金額との合計額
五 前項に規定する収入金額が八百五十万円を超える場合 百九十五万円
(所法28③)

 文章で書かれていても分かりにくいので、表に表すと以下のようになります。(計算しやすいように数式を変形しています。)

給与等の収入金額給与所得控除額
162.5万円以下55万円
162.5万円超 180万円以下収入金額×40%-10万円
180万円超 360万円以下収入金額×30%+8万円
360万円超 660万円以下収入金額×20%+44万円
660万円超 850万円以下収入金額×10%+110万円
850万円超195万円

 表から分かるように、給与等の収入金額が162.5万円以下の場合は、一律55万円。それを超える分については、180万円までは給与等の収入金額の40%、360万円までは給与等の収入金額の30%、...と割合が漸減していき、最後は給与等の収入金額が850万円のとき、給与所得控除額が195万円が上限となっています。

 なお、令和2年分から、基礎控除の改正に伴い、給与等の収入金額が850万円以下の者については、給与所得控除の金額が10万円小さくなりました。(上記の条文及び表は改正を反映済。)

 ただし、合計所得金額2,400万円以下の者の基礎控除額は10万円大きくなり48万円になりましたので、給与等の収入金額が850万円以下の者には、給与所得と基礎控除がそれぞれ10万円増加するだけで、影響がありません。

 また、高額所得者への課税強化の一環として、給与所得控除額が上限となる給与等の収入金額は度々引き下げられており、平成24年分以前は上限がなかったところ、平成25年分より1,500万円、平成28年分より1,200万円、平成29年分より1,000万円、そして、令和2年分より850万円で上限となりました。

給与等の収入金額が660万円未満である場合

その年中の給与等の収入金額が六百六十万円未満である場合には、当該給与等に係る給与所得の金額は、前二項の規定にかかわらず、当該収入金額を別表第五の給与等の金額として、同表により当該金額に応じて求めた同表の給与所得控除後の給与等の金額に相当する金額とする。(所法28④)

 ここまでいろいろと説明してきましたが、給与等の収入金額が660万円以下の場合は、前々項の給与所得の金額、および前項の給与所得控除額の計算をするのではなく、給与等の収入金額を別表第五に当てはめて、その表から給与所得の金額を求めることになります。

 ただ、別表第五を暗記することはほぼ不可能だと思うので、前項の給与所得控除額を用いて給与所得の金額を概算することは有効だと思います。

 

文書作成日時点での法令に基づく内容です。
平成25年から令和19年まで所得税額の2.1%の復興特別所得税が課税されますが、特別に説明が必要な場合を除き、説明の簡便化のため、省略しております。
内容には注意を払っておりますが、その保証をするものではありません。当サイトの利用により生じたあらゆる不利益及び損害に対して、一切の責任を負いません。
本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。
所得
スポンサーリンク
サラリーマンのための節税講座

コメント

タイトルとURLをコピーしました